福岡県のダム歩き

8)犬鳴ダム

福岡市圏内へ行く県道21号線はこの十年でよく整備されて峠越えが楽になった。その最大の貢献が新犬鳴トンネルの開通だろう。その直前の谷あいにこれも比較的最近(平成06年)完成した「犬鳴ダム」は堤高76.5m、堤頂長さ230mの巨大な堰堤がその県道のそばに位置していて、ダムでは近隣によく知られた存在といえる。

しかしそのダム湖を周回するのは初体験だ。県道がダム直下の谷越えのアーチ橋を過ぎ、ダムサイトへ入るときの右折が大型車の対向車が多いために難儀した。この道は普段から交通量が多い。絶妙の場所にあるレストラン(ダム建設と同期して出来た)「米の花」は最近はPM3時閉店なので、現在の時刻(PM2時)では周回後の利用は微妙な問題だ。

堰堤のそばの駐車場に車を置いて歩き始める。

 

 

 

 

ダム湖に独自の名称がつけられてあることは余りないが、ここは「司書の湖(うみ)」あるいは「加藤司書の湖」と名づけられている(総貯水量は500万立方m)。福岡藩幕末の志士で非業の死を遂げた人物がこのあたりに住んでいたという史実による。

 

このダムのために立ち退いた住民もかなり居たらしいが、今は住民の気配はまったくない。しかしいろいろと石碑の多いダムだ。石が近くでとれるのか?

 

 

 

 

周回道路は比較的新しいこともあって全体がしっかりした舗装だった(一部土砂が抜けて危険な場所もあったが)。反面植生が育っていなくて自然を楽しむという気分ではない。幹線道路に近いこともあってドライブに来る車が多い。後ろから来られると落ち着かない気分だ。

多くのダム湖周回道路の車道が左周りの一方通行なのはそれなりの理由があるのだろう。

 

 

人間はとかく湖面寄りに歩こうとする傾向があるし、山側に寄れば車から確認するのが困難になる。歩行については法律的には逆周りでも構わないはずだけれど、しかし、安全面で言うとどうだろうか。交通ルールに固守しない限りにおいて、私はお互いに逆進行のほうが安全ではないかと思っている。

つまり、この場合だけ人間も左通行にして、お互いに遠くから確認し合えるという利点を付加しつつ不慮の正面衝突を避けられる、と思うのだがどうだろうか。

狭い道を歩いているときに後ろから近づく車の存在は不安なものだ。どうしても振り返ってしまう。(プリウスのような静粛な車に音を付加せよというような理不尽な要求も、それを前提にしているのだろう。)もっとも、この提案は道路幅が充分余裕があるとき(人間が自力で危険を回避できる場合)のみに効果があるわけだけれど。

いずれにせよ、どんな場合でも圧倒的に威力のある車の方で注意することが絶対要件なのだ。

 

 

 

 

 

この犬鳴トンネルを中心とする一帯は心霊スポットとして知られているが、それについては書かない。

一周6800歩、ほぼ一時間で終了した。「米の花」は閉店していた(涙)。帰りは近くの脇田温泉の日帰り湯「湯乃禅」に寄ってみようか。


 

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