福岡県のダム歩き

12)鳴淵ダム

福岡都市圏へ行く道として、前述の犬鳴峠越えと、飯塚市を通って八木山峠越えがある。現在民主党政権の善政で、並行する有料道路の八木山バイパスが只になっている。たかだか百円とはいえこれを利用しない手はないし、しかも近年完成した鳴淵ダムはそのバイパスが一般道路と交わる辺りから入るらしい。次第に目標が遠くなっていくのは自然の成り行きであろう。有料バイパス道路は対向2車線だけれど、信号がないというだけで皆高速同様にスピードをあげて走るので危険である。そのために本来右折するべきところを私は左折し(実際はUターン)てしまい、大きく回り道をすることになった。

このあたりの記述の論理的整合性をすぐ理解できるひとは相当の人物だろうと思う。つまり、珍しくあらかじめ地図で近辺を調べていた私は、高速道路の気分が残っている連絡道路で右折することは本来危険だとの先入観を持ったので、私は一旦左折してからゆるゆるダムへの道を探そうという計画を立てたのである。しかし、そこは既に一般道路であり、バイパス道路の殺気立った雰囲気はそこではなくなっていたし、しっかりした右折のための専用レーンスペースと信号システムも完備されてあったので、安心してそこで右折してよかったのである。それに、その交差点を右折すればダムはすぐ正面にそびえていた(本来地図で気づくべきことだった。私は左折する直前にダムが思ったよりも直近にあることに気付いたが、車線を変更することは不可能であった)。ここで左折(実質一般道へのUターン)したことで私の車が交通煩瑣な一般道を再び引き返して当地点へ戻り、再度右折するのに要したロスは5分では効かなかった(涙)。

 

 

 

 

前置きが長かったが、鳴淵ダムは都市型ダムというか見事なレジャー型の一大公園スペースとして都市近郊でその存在をアッピールしていた。大体この篠栗一帯がそのような雰囲気のある観光地なのだ。ダム湖全体に遊歩道が作られてあったし、ダムそのものも立体的な取り付け道路とあわせてなかなか洒落たデザインが採用されてあった。車やバイクで周回する人たちも多いのではないだろうか。私は5000歩あたりで周回を完了した(総貯水量416.4万立方m)。

 

 

 

 

 

 

 

それにしても鳴淵ダムの存在には改めて驚かされる。先記の犬鳴ダムも幹線道路のそばにあるが、鳴淵ダムは更に交通繁華な国道の、しかも山あいではなく、ごく日常的な場所から簡単にその迫力あるダム堰堤全体(堤高67.5m、堤頂長さ304m)を見上げることが出来る(JR(篠栗線)の車窓からももろに見ることが出来るのだ)のだけれど、その意外性のために私はこれまでその存在を知らなかった。2001年完成とあるから、この十年近く、私は何度ここを通過したか知れない(JRでも)のだが。意識しなければ、あるいは期待しなければあるものも見えない、したがって存在しないという哲学の真理はなるほど正しいのかもしれない。


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