福岡県のダム歩き

13)久保白ダム

このダム(湖)めぐりをはじめた当初、私は福岡県内のダム数はおおよそ20内外だろうと踏んでいた。それはネットで見た「福岡県庁ホームページ」にある「福岡県内のダム一覧」を見たからだった。ここでは「管理中のダム」として15のダム名があげられており、更に建設中のダムも2件あった。それでも、これまで訪れたダムでこの中に名前の入っていないものがいくつかあり、更に県内の著名な大ダム、たとえば江川ダムや寺内ダム、背振ダムなどが記載されていないことで疑問は感じていた。

その疑問はある日「全国ダム便覧」というサイトを発見することで氷解した。

ダムは管理者が様々あり、単に福岡県が管理しているダムが15あるということに過ぎなかったのだ。江川ダムなど巨大ダムは国が管理するものが多く、更には市町村や、企業管理のダムもある(河内ダムなど)ようだった。それで、それらをあわせてダムと名づけられるものは、県内にはおおよそ65(!)ほどあることが分かった。

一旦は驚愕したが、それでかえって強いやりがいも出てきた。これで毎週平均ひとつづつでも探訪をこなしていけば、一年やそこらはかかりそうな数ではあるが、決して征服不可能な数字ではないだろう。じっくりとやっていこうと思ったわけである。

それで今日は飯塚市の向こうの桂川町にある「久保白ダム」に向かった。

ナビであてにした「管理事務所」の近くに来たらしくて音声案内を一方的に放棄され、しばらくは呆然としたが、気を取り直しナビの地図画像の池らしき形をたよりにとぼとぼと車を転がす。なにしろどちらを見てものどかな田園地帯で、いつもの急峻な山あいはどこにも見当たらない。そのうち前方に不自然に盛り上がった大きな土手らしき姿が見えてきた。

 

 

 

 

 

 

 

久保白ダムはアースダム(堤高25m、堤頂長さ304m)であり、周囲の丘陵地形をうまく利用した農業用のため池(総貯水量416.4立方m)であった。

アースダムとは、簡単に言えば土をつき固めて土手(堰堤)にして水を堰き止めたものだ。久保白ダム程度の高さ、大きさのダムならこれで充分用が足せる。もっと高い堰になると水が沁みこんで抜け、崩壊するのを防ぐために土手の芯に粘土質のものを仕込んだり、表面にアスファルトを張ったりした2重構造にし、全体の強度を高めるために石や岩石を積みあげる(ロックフィルダムというらしい)などの工夫が必要になる。

基本的に土で作ったダムにも巨大なものは多い。徳山ダムなどの巨大なダムもこうやって出来ている。世界的にも、手間はかかるが安上がりなのでたくさんの土や石で構成された巨大ダム(アスワンダムなど)が作られているようだ。

 

 

 

 

 

車も一周できるコースは自然道そのもので、複雑な形状の入り江ごとに水鳥の群れが居てなかなか愉しいながめだった。

周回一時間、6000歩だった。


 

 

 

 

 

 

 

 

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